今回は、経営者がパート薬剤師を雇うメリットをご紹介します。
パート薬剤師として働いていると、肩身が狭いと感じたことはありませんか?
特に平日の昼間しか働いていない子育て中のパートだと特に・・・。
私もそうでした。
1日8時間働いていた頃はパートの方に対して何も感じていなかったのですが、出産を機に勤務時間を短くすると何だか肩身が狭くなってしまいました。
そんな時、私は法律を知ることで不安を払拭できました。
経営者がパート薬剤師を雇うメリットを知ることで、気持ちがすごく楽になって肩身の狭さを払拭でき、気持ちよく働けるようになりました。
パート薬剤師として働いているけど肩身が狭い方、経営者がパート薬剤師を雇うメリットについて興味がある方は、ぜひご覧ください。
パートタイム労働者とは?
「パートタイム労働者」は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされており、パートタイム労働法の対象となっています。
パートタイム薬剤師を雇用するメリット
経営者がパートタイム薬剤師を雇うメリットに何があるのでしょうか。
具体的にご紹介します。
状況に合わせて人員確保できる
パート薬剤師を雇うメリットとして、人員配置の調整がしやすいことがあげられます。
例えば、「午前中だけ働いてもらう」「午後診まで自宅に帰ってもらう」「土曜だけ働いてもらう」といった具合です。
正社員のみで構成されていると、中抜けしてもらうのは難しく、また、混んでいる時間帯になると人員が足りない、空いている時間帯になると人員が余ってしまうなど、合理的な経営が難しくなってしまいます。
人件費を抑えられる
高時給と言われるパート薬剤師ですが、人員が足りない時間のみの補充であれば、正社員を雇うより人件費を抑えることができます。
コロナ禍による処方せん枚数の減少を受け、正社員もしくは扶養内パートのみの人員となっている薬局・薬剤部も珍しくはありません。
管理業務・在宅業務等に集中できる
パート薬剤師を雇うメリットとして、不足薬の発注、シフト作成等の管理業務に充てる時間を確保できます。
また、薬局で薬を渡してもらえるパート薬剤師が常駐していると、いつ呼び出されるのかわからない在宅業務でも、Dr・患者さんのニーズに応えることが可能となります。
パートタイム労働者と正社員で異なる項目
パートタイム労働者と正社員では、勤務時間以外に異なる雇用条件がいくつかあります。
こちらでは、主にパートタイム薬剤師と正社員の異なる雇用条件についてご紹介します。
有給休暇
有給休暇は、雇用形態に関わらず「6ヵ月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者」すべてに与えるよう義務づけられています。
これは、週1回勤務のパートタイム労働者も同様です。
日数は労働日数や勤続日数によって以下のように決まっています。
■所定労働時間が週30時間未満の場合
週所定労働日数 | 5日 | 4日 | 3日 | 2日 | 1日 |
---|---|---|---|---|---|
1年間の所定労働日数 | 217日以上 | 169~216日 | 121~168日 | 73~120日 | 48~72日 |
6ヵ月 | 10日 | 7日 | 5日 | 3日 | 1日 |
1年6ヵ月 | 11日 | 8日 | 6日 | 4日 | 2日 |
2年6ヵ月 | 12日 | 9日 | 6日 | 4日 | 2日 |
3年6ヵ月 | 14日 | 10日 | 8日 | 5日 | 2日 |
4年6ヵ月 | 16日 | 12日 | 9日 | 6日 | 3日 |
5年6ヵ月 | 18日 | 13日 | 10日 | 6日 | 3日 |
6年6ヵ月以上 | 20日 | 15日 | 11日 | 7日 | 3日 |
■所定労働時間が週30時間以上かつ週5日以上の場合
正社員と同様の有給日数となります。
健康保険・厚生年金
健康保険と厚生年金については、以下の要件をすべて満たせばパートタイム労働者でも加入する義務があります。
つまり、経営者側もパートタイム労働者の健康保険と厚生年金を負担する義務が出てくるということになります。
・賃金月額が88,000円以上
・雇用期間が2ヵ月を超えることが見込まれる
・101人以上(厚生年金の被保険者数)の従業員のいる事業所(注) 等
注)2024年10月には従業員数51人以上の企業にも社会保険適用の範囲が拡大されます。
ということは、要件を満たさない場合、経営者側は健康保険・厚生年金を負担せず、お得にパートタイム労働者を雇うことができます。
雇用保険
雇用保険については、以下の要件を満たせば、パートタイム労働者も対象となります。加入手続きは企業が行ないます。
つまり、経営者側もパートタイム労働者の雇用保険をいくらか負担する義務が出てくるということになります。
ということは、要件を満たさない場合、経営者側は雇用保険を負担せず、お得にパートタイム労働者を雇うことができます。
パートタイム労働者と正社員で同じ項目
パートタイム労働者と正社員では、同様の雇用条件もいくつかあります。
こちらでは、主にパートタイム薬剤師と正社員で同様の雇用条件についてご紹介します。
女性労働者の保護
女性のパートタイム労働者について、妊娠中・出産後は正社員と同様の保護が受けられます。
経営者側は産前6週間・産後8週間の産前産後休業を与えるのはもちろん、育児休暇や生理休暇など配慮する必要があります。
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
週20時間未満のパート薬剤師は、経営者側にとってメリットがたくさんあることをお伝えできました。
また、この記事でお伝えしたことは労働基準法に則った最低限の情報となります。
病院・薬局によってはパート薬剤師にとって、もっと素敵な制度を導入している会社もあります。
(パート薬剤師もボーナス支給があるetc)
パート薬剤師として働いていても、肩身の狭さを感じている方のお役に立てれば幸いです。