薬剤師アモーレのブログ

お薬業界について感じたことをつらつらと。

虫刺されにステロイド?夏に気になる薬の使い分けー薬剤師からの発信ー

 

こんな処方箋見たことありませんか

Rp1. 〇〇軟膏(ステロイド) 5g 1日1~2回、虫刺され かゆい所

 

虫刺されにステロイド?

お薬を渡すとき「ステロイド」という単語は使わないようにしていますが、調べるとすぐにわかってしまいます。

 

どうやったら患者さんに納得してもらえるのかな?

残念ながら大学時代に学んだ知識はすっかり記憶のかなたに去ってしまっていたため、虫刺されについて調べてみました。

 

今回は、虫刺されの痒みについてご紹介します。

 

 

虫さされの仕組み

 

虫に刺されて起こるかゆみは2つのアレルギー型反応で起こります。

  即時型 遅延型
かゆくなる時間 刺されてすぐ痒くなり、数時間程度で治まる 虫に刺されて数時間から翌日にかけて痒みが起こる。個人差はあるが、1~2週間断続的にぶりかえすこともある
痒みの発生機序 マスト細胞から痒みを起こす物質が出てくる 白血球から、痒みや炎症を起こす様々な物質が出てくる
痒みの原因物質 主にヒスタミン 決定的なものは不明
痒みを止めるには 抗ヒスタミン薬 NSAIDs・ステロイド薬

 

出典:Cocotame

 

即時型の痒みには

抗ヒスタミン薬が有効です。

ムヒ・ウナコーワなど抗ヒスタミン成分が配合されている市販薬で対応されている方が多いのではないでしょうか。

これで皮膚科にかかる方はまずいないと思います。

 

遅延型の痒みには

NSAIDs・ステロイドが有効です。

ムヒ・ウナコーワには実はステロイドが配合されている商品もありますが、そうとは知らず皮膚科にかけこむ方もいるはず。

蚊どころではなく、毛虫にさされたとか訴えは様々ですが、皮膚科にかけこむ余裕がある方には、ほぼステロイドが処方されるでしょう。

 

私はNSAIDs軟膏の処方は小児科でしか見たことがありません。

 

病院も商売ですから、効き目が強いステロイドが好まれるのではないでしょうか?

 

■参考
皮膚疾患用のNSAIDs軟膏のラインナップは次の通りです(先発品・R4.5確認)。

・スタデルムクリーム・軟膏=ベシカムクリーム・軟膏(同一成分、以下同)
・コンベッククリーム・軟膏=フエナゾールクリーム・軟膏
・スレンダムクリーム・軟膏
・スルプロチン軟膏=トパルジック軟膏
・ジルダザック軟膏

ステロイドと比べると、とても少ないのがわかります。
ニーズが少ないんでしょうね。
 

最後に

今回は、虫さされの痒みについてまとめました。

同じ調剤薬局とはいえ、ドラッグストア併設か否かで患者さんが感じる疑問も変わってくるかと思います。

ムヒ・ウナコーワだとネットで情報があふれかえっているし、メーカーの発信力も素晴らしいので、OTCだと 薬剤師<患者さん になってしまうかもしれない。

「成分を知っている」強みを生かし、薬剤師から薬をもらったんだ!という実感を持ってもらえるようになりたいものです。