同居家族・恋人・飲食をともにした友人が新型コロナ陽性になってしまったときの心強い味方「抗原検査キット」。
2022年8月に「一般用」抗原定性検査キットが厚生省から承認され、ネット販売が解禁されました。
インターネットやドラッグストアで気軽に買えるものは「研究用」抗原定性検査キットに分類されるもので、薬剤師としてはおすすめできません。
抗原定性検査って15~30分程で結果が出るので、とりあえずの陰性証明をGETしたい方にはとてもおすすめです。
そこで今回は、コロナ社会にとても役立つ知識として抗原検査・抗原定性検査キットについてご紹介します。
抗原検査とは
高齢の家族に会うためのお守りとして、また経済活動を行ううえで新型コロナに対する陰性証明が欲しい場合、簡単に行うことができる検査です。
陰性証明の有効期間は検査当日・翌日の2日間のみです。
抗原検査の種類
抗原検査は抗原定性検査と抗原定量検査の2つがあります。
気軽に受けることができる検査は簡易キットを使う抗原定性検査の方です。
抗原定量検査は検体を検査機関に搬送するため、その場で結果を知ることは難しいかもしれません。
ちなみに、出国の証明書として使用できるのは抗原定量検査の方です。
引用:厚生労働省
抗原検査はどこで受けれる?
病院
開業医によっては抗原検査・PCR検査を行っている所があります。
詳細は近くの開業医にお問い合わせください。
基本は有料です。
薬局ほか
調剤薬局・調剤薬局併設のドラッグストア・検査センター等で抗原検査・PCR検査を行っている所があります。
しばらくの間は無料で検査してもらえそうなので、気になるかたはコチラから。
→→各都道府県の無料検査事業サイト|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室
自宅
新型コロナ疑いの症状がある方・濃厚接触の方は自宅で検査したいですよね。
そこで、抗原定性検査キットを購入することになります。
抗原定性検査キットについて
承認後当初は、抗原定性検査キットで陽性の場合は確定診断となる一方、陰性の場合は確定診断のために再度PCR検査が必要でしたが、調査研究の結果、発症2日目から9日以内の有症状者については、抗原定性検査キットとPCR検査の結果の一致率が高いことが確認されました。
そのため、2020年6月16日に「 SARS-CoV-2 抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」の見直しを行い、鼻咽頭拭い液による検査は、発症2日目から9日目までの患者について、検査結果が陰性でも確定診断が行えるようになりました
抗原定性検査キットの種類
一般の方は薬局などで医療用キットを薬剤師より購入するか、ドラッグストアやインターネットで研究用キットを購入することしかできませんでした。
しかし、2022年8月に一般用キット(OTC 1類)が承認され、同月よりインターネットで販売が開始されています。
ただ、研究用キットの危険性について一般認知は低く(そりゃ、医療用キットが気軽に手に入らないんじゃ当たり前)、ネットやドラッグストアでは良く売れているみたいです。
医療用抗原定性検査キット・購入方法
厚生労働省より医療用として承認を受けた検査キットです。
2021年9月に特例的に医療機関以外での取り扱いを認め、薬剤師による対面販売が可能となりました。
ちなみに医療用キットは、下のサイトから各薬局のHPをひらいて問い合わせて購入ください。
流行の第〇派というときは大抵売り切れています。
そして、早く買いすぎても使用期限が過ぎてしまうので注意が必要です。
一般用抗原定性検査キット・購入方法
厚生労働省よりOTC(一般用医薬品)として承認を受けた検査キットです。
分類は第1類。
医療用と一般用のキットの性能は同等で、ともに一定の精度が確認されており、購入の際は薬剤師から説明を受ける必要があります。
2022年9月5日現在、承認されているものは次の通りです。
参考:厚生労働省
購入できるサイトはコチラ
タカラバイオ製は9月12日より、コーワ品は9月中の発売予定です。
研究用抗原定性検査キット
厚生労働省より承認を受けていない検査キットです。
研究用キットはドラッグストアやインターネットで気軽に購入でき、一方、医療用キットは購入が面倒なため、仕方なしに研究用キットを購入していた方は多いのではないのでしょうか。
研究用キットは薬剤師の説明なしに買えますが、性能が不確かで、感染していても誤って陰性と判定されるケースが起きやすいとされています。
最後に
地域のかかりつけ薬局を目指す調剤薬局にとっては、今回の無料検査事業を足掛かりとしてヘルスケア事業に食い込みたいところです。
ついでにワクチンも調剤薬局で接種できるようにして、ぐいぐい~とね。
ほんっと薬剤師会とか頑張りどころですよね。
・・・でも、現場では無料検査事業を面倒に感じているのが本音。
会社の少し偉い人が調剤薬局の展望を語ってくれたら、みんなやる気がでるんじゃないかな~。