薬剤師アモーレのブログ

お薬業界について感じたことをつらつらと。

新型コロナのワクチン・治療薬・中和抗体薬のまとめ

新型コロナが流行しはじめてから早や数年が経過し、ワクチンや治療薬も様々なものが使用されています。

はじめのうちは種類も少なくニュース等でも大々的にとり上げていたため、労せず情報をGETできていましたが、もはや増えすぎて、把握することが難しくなってきました。

医療従事者として恥ずかしい気持ちもあったため、この辺りで整理をと思い、新型コロナ感染症の医療用医薬品について調べることに。

 

新型コロナウイルス感染症の対策として厚生労働省が認めている医療用医薬品は次の通りです。

■ワクチン
重症化を防いだり、発熱や咳などの症状が出ること(発症)を防ぐ効果があります。
参考:厚生労働省

 

■治療薬
新型コロナウイルス感染症の患者に投与できます。
一部の医薬品は安定的な供給が難しいことから、供給が安定するまでの間、国において買い上げ、治療を行う医療機関及び対応薬局に無償で提供されています。

 

■中和抗体法
新型コロナウイルス感染発症から時間の経っていない軽症例において、重症化を抑制することを目的とし、体内に抗体を注入します。
供給が難しいことから、供給が安定するまでの間、国において買い上げ、治療を行う医療機関及び対応薬局に無償で提供されています。

 

ちなみに、ワクチン・中和抗体薬・抗ウイルス薬についてのわかりやすい記事はこちら。

国内で流行するオミクロンの派生型「BA.5」は免疫をすり抜ける特徴が増し、既存のワクチンの効果が大幅に低下するとされ、3回接種した人でもコロナに感染する事例が相次いでいる。
ワクチン中和抗体薬は、ウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」を標的としているため、スパイクが変異した場合、有効性が弱まる欠点があるためだ。
一方ラゲブリオなどの抗ウイルス薬は、ウイルスが体内で増殖する酵素などをピンポイントで阻害するため、ウイルスが変異しても有効性は低下しにくい。

引用:日経新聞電子版

 

今回は、医療従事者でも意外と把握していない、新型コロナウイルス感染症の対策の医療用医薬品についてご紹介します

随時、更新します。

 

 

新型コロナワクチン

 

新型コロナワクチンには、重症化を防いだり、発熱や咳などの症状が出ること(発症)を防ぐ効果があります。接種を受けていただくことで、重症者や死亡者が減ることが期待されています。
一方で、接種後の副反応として、接種部位の痛み、頭痛・倦怠感、筋肉痛などが報告されているほか、ごくまれに、接種後のアナフィラキシー(急性のアレルギー)が報告されています。
新型コロナワクチンの薬事承認にあたって、有効性や安全性を、臨床試験や科学的知見に基づいて確認しています。

参考:厚生労働省

 

承認の早い順にご紹介します。

今のところ、18歳未満に使用できるのはファイザー社ワクチンだけのようです。

添付文書は随時、更新されるので製薬会社のリンクを貼っています。

 

ファイザー社(承認:2021年2月)

薬品名:コミナティ筋注用
種類:mRNAワクチン
対象:12歳以上

→添付文書はコチラ

 

モデルナ社(承認:2021年5月)

薬品名:スパイクバックス筋注
種類:mRNAワクチン
対象:18歳以上
添付文書はコチラ

 

アストラゼネカ社(承認:2021年5月)

薬品名:バキスゼブリア筋注
種類:ウイルスベクターワクチン
対象:原則40歳以上(必要がある場合は18~39歳も可)

添付文書はコチラ

 

ファイザー社(5~11歳用)(承認:2022年1月)

薬品名:コミナティ筋注用5~11歳用
種類:mRNAワクチン
対象:5~11歳

添付文書はコチラ

 

武田社(ノババックス)(承認:2022年4月)

薬品名:ヌバキソビッド
種類:組換えタンパクワクチン
対象:18歳以上

添付文書はコチラ

 

ヤンセンファーマ社(承認:2022年6月)

薬品名:ジェコビデン筋注
種類:ウイルスベクターワクチン
対象:18歳以上

添付文書はコチラ

注!2022年8月現在、日本でジェコビデン筋注を接種することはできません。

 

新型コロナウイルス感染症の治療薬

■承認済みの新型コロナウイルス治療薬(R4.8.30現在)

引用:承認済の新型コロナウイルス治療薬及び現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬(令和4年8月30日現在)/厚生労働省

既存の医療用医薬品も一部、新型コロナウイルス感染症に使えるようになっています。

ここでは、新型コロナウイルス感染症にのみ使用できる医療用医薬品を取り上げます

添付文書は随時、更新されるので製薬会社のリンクを貼っています。

 

ベクルリー点滴静注用100mg(承認:2020年5月)

一般名:レムデシビル・注射用凍結乾燥製剤
種類:抗ウイルス薬
対象:体重3.5kg以上(推奨は3歳以上)
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症
・酸素投与を要しない患者であって、SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者
・SARS-CoV-2による肺炎を有する患者

添付文書はコチラ

 

ラゲブリオカプセル200mg(承認:2021年12月)

安定的な供給が難しいことから、供給が安定するまでの間、国において買い上げ、治療を行う医療機関及び対応薬局に無償で提供されています。
(一刻をあらそう重症患者には使われないから在庫管理しても良いよね、という考えなのでしょうか・・)

2022年9月16日より、生産体制が整ったことから卸を通じての購入が可能となっています。

ただ、通常の用法用量「1日2回5日間」服用する場合の薬価は約9万4千円です。

新型コロナ患者は全額公費負担ですが、なんだか考えさせられてしまいます。

一般名:モルヌピラビル
種類:抗ウイルス薬
対象:18歳以上
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症
・ SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者
・重症度の高いSARS-CoV-2による感染症患者に対する有効性は確立していない

添付文書はコチラ

使用状況はコチラ

 

パキロビッドパック(承認:2022年2月)

安定的な供給が難しいことから、供給が安定するまでの間、国において買い上げ、治療を行う医療機関及び対応薬局に無償で提供されています。
(一刻をあらそう重症患者には使われないから在庫管理しても良いよね、という考えなのでしょうか・・)

一般名:ニルマトレルビル
種類:抗ウイルス薬
対象:12歳以上かつ体重40kg以上
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症
・ SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者
・重症度の高いSARS-CoV-2による感染症患者に対する有効性は確立していない

添付文書はコチラ

使用状況はコチラ

 

新型コロナウイルス感染症の中和抗体薬

中和抗体薬はウイルスが人の細胞に侵入するのを防ぐ働きがあり、発症から時間を経ていない軽症例に対し、ウイルス量を減少させ重症化を抑制する効果があります。

安定的な供給が難しいことから、供給が安定するまでの間、国において買い上げ、治療を行う医療機関及び対応薬局に無償で提供されています。

添付文書は随時、更新されるので製薬会社のリンクを貼っています。

 

ロナプリーブ注射液セット300/ロナプリーブ注射液セット1332

一般名:カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え)
対象:12歳以上かつ体重40kg以上
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症及びその発症抑制

添付文書はコチラ

使用状況はコチラ

 

ゼビュディ点滴静注液500mg

一般名:ソトロビマブ(遺伝子組換え)
対象:12歳以上かつ体重40kg以上
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症

添付文書はコチラ

使用状況はコチラ

 

エバシェルド筋注セット

一般名:チキサゲビマブ(遺伝子組換え)/ シルガビマブ(遺伝子組換え)
対象:12歳以上かつ体重40kg以上
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症及びその発症抑制

添付文書はコチラ

 

現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬

■現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬(R4.8.30現在)

引用:承認済の新型コロナウイルス治療薬及び現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬(令和4年8月30日現在)/厚生労働省

 

最後になりましたが、開発中の新型コロナウイルス治療薬です。

ここでは、既存の医療用医薬品の適応拡大ではなく、新型コロナウイルス感染症のため開発されている医療用医薬品を取り上げます

 

S-217622(ゾコーバ錠)

種類:抗ウイルス薬
効能・効果:SARS-CoV-2による感染症(推)

 

2022年6月に引き続き7月までも承認見送りに。

こちらの記事に簡単な見解が示されています。

塩野義製薬の新しいコロナ治療薬候補、なぜ緊急承認が見送られたか:朝日新聞デジタル

 

 

とても参考になったウイルスの勉強本です。

著者の宮沢Drによると、高校生でも読めることを意識して書いたそうです。