代理店時代には会社で見ることができた製薬業界の情報誌。
会社を離れると途端に有料。そして高い・・・。
じゃあ、インターネットかな。
でも、インターネットの世界って玉石混交だから「玉」を探すのは難しい。
でも、そんな中で見つけました。
「IQVIA」
データの山!「玉」だらけ!!
今回は、その中から推測した処方量の多い薬剤をご紹介します。
2021年度の医療用医薬品の売上(IQVIA)
TOP10のうち4つは抗がん剤。
オプジーボ、キイトルーダ、タグリッソ、アバスチン。
いうまでもなく高価なお薬。
3位のタケキャブ・7位のネキシウムはPPI。
4位のリクシアナは血液凝固因子阻害薬。
8位のサムスカは心不全患者における体液貯留を改善する水利尿薬。
9位のアジルバはARB。
10位のアイリーアは加齢黄斑変性の注射。
それなりに安価な薬じゃないと処方量に反映しないかなと思い、今回は薬価1000円未満の薬をクローズアップしました。
次の2剤は今回は取り扱っていませんのでご容赦ください。
サムスカ:1084.7~2505.9円
アイリーア:137292円~ ←注射1本の薬価。これは高価。
薬の紹介
タケキャブ・ネキシウム
PPIに分類される胃薬。
薬剤師が気にするべきは食後投与ではない、ということ。
胃の病気に苦しんでいる方で食欲がない方でも服用して大丈夫です。
単剤で使う分には、特に気になる副作用も見あたりません。
リクシアナ
血液凝固因子阻害薬。
体内の血液が固まる作用の途中を阻害し、血栓の形成を抑え脳梗塞や心筋梗塞などを予防します。
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
下記の下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術
イグザレルト、エリキュース
10%を超える副作用は報告されていませんが、血が固まりにくくなるので、出血に注意が必要です。
アジルバ
ARBに分類される血圧を下げる薬。
血圧を上昇に深く関わる体内物質アンジオテンシンⅡの働きを抑えることで降圧作用などをあらわします。
10%を超える副作用は報告されていません。
製薬会社の事情
先発品をメインに販売している会社
当たり前ですが、ジェネリックが発売されると同一成分の先発品の宣伝費はぐっと減ります。
MRへの数字のプレッシャーも少なくなるはずです。
だって、売上が減るのは防ぎようがないので、その薬を売れといわれてもMRのテンションも持たないですからね。
というわけで、ARBに関してはアジルバのひとり勝ちは当たり前。
他のARBは全てジェネリックがあります。
ネキシウムも2022年中にジェネリックが発売されそうなので、タケキャブのひとり勝ちになりそうですね。
GEをメインに販売している会社
武田なんかはジェネリック会社を持っているのでそこでAGを販売してもらって、利益が他社へ流れるのを防いでいるイメージはありますね。
先発医薬品と全く同じジェネリック医薬品のこと。売上の高い先発医薬品のジェネリック対策として製造されることが多く、一般のジェネリック医薬品より発売が早く、薬価が高いのが特徴。
ただAGは薬価が高いので、AGが発売されたらまずはAGを採用し、いわゆる普通のジェネリック医薬品が発売されたらそちらに切り替える、という薬局が多いのでは?
病院・薬局の事情
ジェネリック率は経営に大きく響くので、ジェネリックが発売されればそりゃ変更しますよ。
たくさん売れている薬ほどGE参入会社も多いのでどこを採用するかは悩みどころですけどね。
日本調剤みたいにジェネリック会社を持っていると自社のGEが最優先なので、グループとして潤うかもしれませんね。うまいことやっているものです。
最後に
いかがでしたでしょうか?
売上データから処方量の多く・目にすることが多い医療法医薬品について諸々をご紹介しました。
インスタでは伝えきれない情報はこちらにUPしているので、通勤・通学時間とか講義・仕事の空き時間にでもちらっと見てください~。